皆さんこんにちは!
Kamikatsu-TeaMateの更新担当の中西です!
さて今日は
未来に繋ぐ阿波晩茶〜地域復興へ向けて〜
ということで、現在、上勝町で行っている地域復興へ向けた取り組みについてご紹介いたします♪
徳島県・上勝町。四国山中に抱かれた、この町の宝は、豊かな自然と、そして何よりも「阿波晩茶(あわばんちゃ)」です。けれど今、その晩茶文化が存続の危機に立たされています――高齢化、後継者不足、収益性の低さ。しかし、それでもこの町はあきらめない。茶とともに生きる道を、自分たちの手で切り開こうとしています。
◆ 晩茶と共に生きてきた上勝の暮らし
阿波晩茶は、上勝町だけで古くから受け継がれてきた、世界でも稀な乳酸発酵のお茶です。夏の炎天下、茶葉を摘んで、釜で煮て、樽に漬けて発酵させる。それを天日干しにして完成。すべてが手作業です。
かつては、どの家でも「自分の家の晩茶」を仕込むのが当たり前でした。味も香りも家庭ごとに違い、「うちは酸っぱめ」「あそこの家はまろやか」と、地元の人の会話にも必ず登場する存在。晩茶は、単なる飲み物ではなく、暮らしそのものでした。
けれど時代は流れ、晩茶をつくる家庭は年々減少。2025年現在、生産農家は15軒以下にまで減ってしまいました。
◆ 危機から生まれた「地域再生」の火種
このままでは晩茶が途絶えてしまう・・・。
そんな危機感を抱いた農家たちが集まり、立ち上げたのが「上勝阿波晩茶協会」です。2009年の設立以来、晩茶の魅力発信、販路拡大、後継者支援などに取り組んできました。
しかし、それだけでは足りない。「文化を守る」から「暮らしをつくる」へ。最近では、阿波晩茶を軸とした地域再生の取り組みが本格的に動き始めています。
◆ 晩茶からはじまる地域再生プロジェクト
◉ 1. 「おてつたび」などのプロジェクトとの協力
上勝町では今年、都市部からの若者を受け入れる「おてつたび」制度を活用し、晩茶農家と若手活動家との交流を企画しています♪
https://otetsutabi.com/plans/10661
◉ 2. 晩茶を観光資源へ
阿波晩茶は、訪れた人の心をつかみます。その独特の風味と、発酵のプロセスが“面白い”と評判。これを活かし、町では「晩茶体験ツアー」を展開中です。
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茶摘み体験(夏季限定)
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発酵樽のかき混ぜ体験
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自家製晩茶の飲み比べ
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晩茶を使った料理の試食
これらを組み合わせたプログラムが、国内外の観光客を惹きつけています。
◉ 3. 晩茶ブランドの再構築
「上勝晩茶」というブランドでの統一化が進められ、パッケージデザインの刷新や、オンライン販売も強化中。2023年には、アメリカやシンガポールへの輸出もスタートしました。
健康志向の高まりもあり、「発酵茶」「腸活」などのキーワードと結びつけることで、新しい市場開拓にも成功しつつあります。
◉ 4. 【味の箱舟】登録
2020年、阿波晩茶は食の世界遺産と呼ばれる【味の箱舟】に登録され、マスメディアにも掲載されました。

【味の箱船】は、地域の自然や生活と深く結びつき、将来的に消滅のおそれがある小規模生産の食材を世界各地でカタログ化するプロジェクト。スローフード協会(本部・イタリア)が20年以上展開し、世界各地の5千以上の希少食材が登録されている。同年8月末、阿波晩茶は「伊勢いも」(三重県)など八つの食材とともに、日本では2年ぶりに認定された。
◆ 晩茶の未来は、上勝の未来
上勝町で晩茶をつくるということは、「昔のままの暮らしを続ける」ということではありません。
それは、小さな伝統を未来へつなぐための、挑戦と工夫の連続です。
町の高齢者も、移住した若者も、地元の子どもたちも、「上勝に晩茶がある未来」を信じて動いています。
晩茶が発酵する時間は、ゆっくりと、でも確かに進みます。それと同じように、この町の復興も一歩ずつ、一人ずつの手で進んでいます。
阿波晩茶はオンラインでもご購入できます♪
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