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月別アーカイブ: 2025年9月

未来に繋ぐ阿波晩茶~episode19~

皆さんこんにちは!

Kamikatsu-TeaMateの更新担当の中西です!

 

さて今日は

未来に繋ぐ阿波晩茶〜episode19〜

 

徳島県の山あいで受け継がれてきた乳酸発酵茶「阿波晩茶」。2021年に国の重要無形民俗文化財に指定され、全国から関心が高まっています。どんなサイクルで育ち、いつ摘むのが“旬”なのか。現地資料と作り手の声をもとに、育成期間茶摘み時期を中心にまとめました。


阿波晩茶の一年:育てて、盛夏に摘む

  • 春(4〜6月):新芽の季節
    普通の煎茶なら春の若芽を摘みますが、阿波晩茶は摘まずに育て続けるのが定石。夏に向けて葉を厚く、大きく育てます。厚みのある葉は後の乳酸発酵に向くためです。

  • 初夏〜盛夏(6月下旬〜8月上旬):主な茶摘み期
    収穫の中心は7月。地域や標高で前後しますが、だいたい6月下旬から8月上旬の暑い時期に、人の手で枝をしごくようにして**成葉(大きく育った葉)**を摘み取ります。

「晩茶(ばんちゃ)」の名は、**“遅い時期に摘む”**ことに由来。夏の葉を使う独自の製法が、名称にも刻まれています。


なぜ“夏摘み”なの?——阿波晩茶が育つ理由

阿波晩茶は、摘採 → 茹でる → 擦る(茶摺り) → 木桶に漬けて乳酸発酵 → 天日干しという工程で作られます。発酵を促すには厚手で繊維質のしっかりした葉が向き、気温が高い盛夏は乳酸菌が働きやすい。だからこそ“夏に育て、夏に摘む”のです。

  • 漬け込み期間の目安:おおむね2週間前後〜3週間程度(家や桶によって差があります)。

  • 乾燥:桶出し後は天日干し。台風や夕立を避ける天候読みも重要な“腕”のひとつです。


地域の気候と地形:山の暮らしが育てる茶

主な産地は、徳島県上勝町・那賀町・美波町などの山間部。標高数百メートルの斜面畑で、家ごとに自給中心の小さな単位で受け継がれてきました。山の気候(昼夜の寒暖、夏の高温)と作業環境が、**“夏摘み・発酵”**という個性を支えています。


作り手のカレンダー(目安)

  • 4〜6月:芽吹き。摘まないで育てる(草刈りや畑の手入れ)。

  • 6月下旬〜8月上旬茶摘み本番(ピークは7月)。手摘み後、その日のうちに茹で・茶摺り・漬け込みまで行う家が多い。

  • 発酵(約2〜3週間):木桶で乳酸発酵。

  • 晴天日に天日干し:仕上げの選別へ。

取材記では、7月中旬に上勝町で茶摘み〜漬け込みまでの工程を行い、後日「桶出し→干し→選別」と進める例が紹介されています。盛夏の作業であることがよくわかります。


収穫の“見極めポイント”——現場の目安

  • 葉の厚み・硬さ:薄い若葉は香味は良くても発酵に不向き。厚みとコシが出る夏葉が本命。

  • 天候:漬け込み期は高温が望ましく、乾燥期は晴天が欲しい。作柄は気象の影響を強く受けます

  • 畑の位置:山間部では日当たりや標高差で時期がずれるため、同じ町内でも摘み始めが前後します。


もう一歩深く:阿波晩茶の“いま”

  • **文化財指定(2021年)**で、技術の継承と記録が進み、全国的な注目が上がりました。

  • 海外の発酵茶紹介でも、盛夏に手摘み→桶で乳酸発酵→天日干しという希少な製法が“日本の後発酵茶”として語られています


まとめ:阿波晩茶は「夏を摘む茶」

  • 育成期間春に芽吹かせ、夏まで育てる(春は摘まない)。

  • 茶摘み時期6月下旬〜8月上旬が中心、ピークは7月。厚手の葉を手摘みで収穫。

  • 理由厚葉×高温が、桶の中での乳酸発酵を助け、独特の酸味と香りを生む。

“春に摘まない勇気”と“夏に働く発酵の力”。この二つが重なって、阿波晩茶の季節は出来上がります。次の夏、産地の空気を想像しながら一杯いれてみてください。盛夏の山の匂いと、静かな旨みが、湯気の向こうからやってきます。

 

 

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こんにちは。Kamikatsu-TeaMateの百野です。

皆様お待たせいたしております。

ようやく2025年のお茶の入荷ももぼちぼち入っていきおります。

ただいまゴミ等のより分け、選別作業をして梱包しております。

ご予約いただきましたお客様、先着順ではありますが、順次発送を開始させていただきます。もうしばらくお待ちください。

なお、今回、多数のご注文を頂いておりますため個別での発送確認のメールはご容赦ください。