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月別アーカイブ: 2025年8月

未来に繋ぐ阿波晩茶~episode18~

皆さんこんにちは!

Kamikatsu-TeaMateの更新担当の中西です!

 

さて今日は

未来に繋ぐ阿波晩茶〜episode18〜

 

 

阿波晩茶は、やさしい酸味やわらかな旨み、渋み控えめが特長。毎日のごはんやおやつに**“するり”と合うお茶です。ここでは、家庭で再現しやすい淹れ方の定番**と、料理アレンジ/ペアリング/保存をまとめました。


1|まずは定番の“煮出し”から

家族用ポット(1L)の目安

  • 茶葉:10–12g

  • 水:1000ml

  • 沸騰→弱めの火で3–5分

  • 火を止めて2–3分おいてから茶こしで移す
    → 角のない酸味と香ばしさ。冷ましても味が崩れにくいのが阿波晩茶の良さ。

急須で手軽に(1杯)

  • 茶葉:2–3g/湯:150–200ml90–95℃60–90秒
    → さっぱりと、食事中にも。


2|夏は“水出し・氷出し”で

  • 水出し(1L):茶葉10–12g常温→冷蔵4–6時間。苦渋み少なめ、甘酸っぱくすっきり。

  • 氷出し(急須):氷たっぷり+茶葉6–8g溶けた分だけ注ぐ。まろやかな旨みが際立つ“ご褒美の一杯”。


3|食卓ペアリングの定番

  • 揚げ物・焼き魚:脂をさっぱり流し、後味を整える。

  • 発酵食品(味噌・漬物・チーズ少量):乳酸同士が相性◎。

  • 柑橘や酢の物:酸味の“層”が重なって心地よい。

  • おやつ:甘味控えめの焼き菓子、素朴な和菓子と。


4|簡単アレンジレシピ

4-1 茶飯(2合)

  1. 阿波晩茶300mlをやや濃いめに煮出す。

  2. 研いだ米2合に煮出し茶+通常の水量まで足し、塩ひとつまみ。

  3. 炊き上がりに白ごま・刻み青ねぎ。→ おにぎりにしても最高。

4-2 阿波晩茶お茶漬け

  • 残りごはん+煮出し阿波晩茶。焼き鮭・漬物・刻み海苔でさっと。夜食にも重くない

4-3 阿波晩茶ピクルス(ノンオイル)

  • 煮出し茶200ml+塩小さじ1/2+はちみつ小さじ1+レモン薄切り少々。

  • 好みの野菜を漬けて冷蔵2–3時間酸味まろやかな“和ピクルス”。

4-4 阿波晩茶スカッシュ(夏限定)

  • 濃いめに冷やした阿波晩茶100ml+炭酸水150ml+柑橘ひとかけ。無糖で爽快


5|よくあるQ&A

Q. なんで酸っぱいの?
A. 茹で・揉みのあと樽で乳酸発酵させるから。お酢の酸っぱさとは違う、角のない酸味が特徴です。

Q. カフェインは?
A. 夏の大きな葉を使うため比較的おだやか。ただしゼロではありません。就寝前は控えめに。

Q. 何煎まで飲める?
A. 急須なら2~3煎。煮出しは一回ごとがおすすめ。

Q. どれくらい保つ?
A. 未開封で冷暗所なら長めに。開封後は早めに(目安1~2か月)使い切り、湿気と光を避けてください。


6|保存と扱いのコツ

  • 遮光・低湿・涼所が大原則。

  • 開封後は小分けにして、使う分だけを台所に。

  • 長期保管は未開封を冷凍→常温に戻してから開封(結露対策)。


7|阿波晩茶の“ものがたり”を楽しむ

樽詰めの日、家族総出で葉を押し、重石をそっと載せる手の重み。樽明けの日、ふわっと立ちのぼる乳酸の香り。阿波晩茶は“つくった人の暮らし”ごと味わうお茶です。季節のたよりと一緒に、食卓でゆっくりお楽しみください。


阿波晩茶は、強すぎない酸味とやさしい旨みで、毎日のごはんに寄り添うお茶。煮出し・水出しを基本に、茶飯やお茶漬けなど台所の道具として気軽に使ってみてください。

 

阿波晩茶はオンラインでもご購入できます♪

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未来に繋ぐ阿波晩茶~episode17~

皆さんこんにちは!

Kamikatsu-TeaMateの更新担当の中西です!

 

さて今日は

未来に繋ぐ阿波晩茶〜episode17〜

 

阿波晩茶は、煎茶や番茶とちがい、乳酸発酵で仕上げる“後発酵茶”。夏の大きな葉を茹でて・揉んで・樽で寝かせて・天日で干す——素材と季節と微生物の共同作業です。ここでは、農園の一年をたどりながら、失敗しない発酵と乾燥の勘どころをまとめます。


1|冬(12–2月):土づくりと来季の骨格づくり

  • 剪定・整枝:翌夏に均一な葉を得るため、畝ごとに高さ基準を決めて更新。

  • 施肥(基肥):前年の収量・葉色・土壌pH/ECを見て設計。

  • 排水・風対策:豪雨溝の通水確認、強風対策の補修。

  • 発酵道具の整備:木樽/ポリ樽・重石・竹簀(たけす)・干し場を点検。樽は湯洗い→乾燥→通風保管が基本。


2|春(3–5月):芽吹きの観察と被覆の見極め

  • 芽勢チェック:畝ごとに芽数・葉厚を見て、夏葉の質を予測。

  • 草生管理:通風と作業性を両立する高さで刈り込み。

  • 病害虫の初期対応:ハマキ・ハダニは畝端と日当たり端から見つけるのがコツ。


3|初夏〜盛夏(6–8月):収穫と“樽入れ”が主戦場

3-1 収穫(刈り取り)

  • 狙うのは“夏葉”:厚みのある大きな葉を中心に。雨直後は水を含み過ぎるため一呼吸置きます。

  • 受け入れ記録:畝・日付・天気・葉齢をロット化(後の味の振り返りに効く)。

3-2 前処理(茹で・揉み)

  1. 大釜で茹でる:葉がやわらかく色が鮮やかに変わるまで。

  2. 水切り→揉捻(じゅうねん):余分な水を切り、葉脈をほぐして菌の足場を作る。

    • 揉み不足=発酵が入りづらい/揉み過ぎ=粉が出やすい。中庸を狙う。

3-3 樽詰め(嫌気発酵)

  • ぎゅうぎゅうに詰める→布→重石空気を抜くのが最重要。

  • 期間:ふつう数週間。香りが乳酸系に変わり、色が落ち着いてきたら“樽明け”の合図。

  • 管理

    • 清潔:樽・布・重石は湯洗い・天日が鉄則。

    • 温度:高すぎは“においだち”が荒く、低すぎは鈍る。納屋の通風で整える。

    • 記録:pH/匂い/色を日誌に。pHは緩やかに下がっていくのが良い傾向。


4|晩夏〜初秋(8–9月):天日乾燥と仕上げ

  • 樽明け→ほぐし:塊をやさしく解き、竹簀に薄く広げる

  • 天日干しからりと晴れた日を待つ。夕立・夜露は大敵なので取り込み動線を先に段取り。

  • 乾きの見極め折ると“パリッ”と音、手触りが軽く、香りが酸×枯れ葉のバランスに。

  • 選別・袋詰:茎や極端な欠片を弾き、ロットごとに封緘。遮光・低湿で保管。


5|秋(10–11月):合組と検品

  • 合組(ブレンド):畝や樽の違いを合わせ、味の“柱”を通す。

  • 官能検査:湯気の香り(立ち香)・口当たり(酸の輪郭)・後口のきれ(渋の余韻)を見て、ロットノートに記録。


6|発酵を外さないための“現場の心得”

  • 嫌気を崩さない:樽詰め直後の空気の道を作らない(押し直しOK)。

  • 水切りを侮らない:過多な水分は“においの重さ”に直結。

  • 清潔第一:樽と布は年次で総点検。においの移りを避ける。

  • 天候待ちの勇気:乾燥は太陽>機械。晴天を狙うほうが結局うまくいく。


7|KPIとトレーサビリティ(簡易フォーマット)

  • 収穫日/畝/天気/葉齢

  • 茹で時間/揉み強度メモ

  • 樽番号/詰日/pH推移/樽明け日

  • 乾燥日数/水分の目安(手感覚+重量)

  • 試飲ノート(酸・旨・渋・香)
    → ロットごとの“勝ち筋”が見え、翌年の微調整が早くなります。


8|よくあるつまずきと処方箋

  • 香りが重い → 水切り不足/樽の締めが甘い。次回は揉み後の滞留短縮詰め直しを徹底。

  • 酸が尖る → 発酵温度が高すぎ/期間オーバー。風通し樽場所を見直す。

  • 粉っぽい → 揉みすぎ/乾燥の伸ばし不足。厚みを均一に干す。


阿波晩茶づくりは、畑の段取り×樽の嫌気×太陽の時間。一年の仕事をリズムに乗せ、清潔・記録・天候待ちの三点で外さない。これがうちの答えです。

(見学や体験の受け入れは時期限定。樽入れ期・樽明け期に合わせてご案内します。)

 

 

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