皆さんこんにちは!
Kamikatsu-TeaMateの更新担当の中西です!
さて今日は
未来に繋ぐ阿波晩茶〜episode15〜
阿波晩茶は、徳島県の山間部で古くから伝わる「後発酵茶」です。夏に収穫した硬めの茶葉を蒸して揉み、樽で乳酸発酵させた後、天日干しにするという独特の製法でつくられます。その味は酸味がありながらまろやかで、近年は健康志向の高まりとともに全国的にも注目される存在になってきました。
しかしこの阿波晩茶、その伝統を支えてきた茶畑が今、転機を迎えています。
茶畑が抱える課題
阿波晩茶に使われる茶葉は、一般的な緑茶のように柔らかく若い葉ではなく、夏に刈り取る成葉が主役です。収穫時期は短く、年間を通じた管理も必要なため、高齢化と後継者不足の影響を受けやすい作物の一つです。
結果として、放棄される茶畑が増え、かつて地域を支えていた「生活の畑」が荒れ地となっていくケースが相次いでいます。
再利用の動きが生んだ新しい価値
こうした背景の中で、阿波晩茶の農家や地域住民が取り組んでいるのが「茶畑の再利用」です。単に再び茶を作るというだけでなく、その土地を活かしながら、地域資源としての茶畑を多面的に活用するという視点が加わっています。
1. 自然との共生を生かした有機栽培
放棄地を整備し直すことで、農薬を使わず自然栽培に取り組む農家が増えています。山間の気候と土壌が無理なく活かせる茶畑は、環境負荷の少ない循環型農業のモデルにもなりつつあります。
2. 体験型観光資源への転換
夏の収穫期に合わせ、茶摘みや発酵作業を体験できる観光プログラムを実施する農家も出てきています。都市部からの訪問者が地域文化に触れ、地元の人々と交流することで、茶畑は新たな「出会いの場」としても再定義されているのです。
3. 教育・福祉との連携
地域の学校や福祉施設と連携し、茶畑を教材や作業体験の場として活用する動きも見られます。自然の中で体を動かし、五感を使って学ぶという貴重な機会は、子どもたちや高齢者の健康や心にも良い影響を与えています。
再利用がもたらす地域再生の芽
茶畑の再利用は、単に土地の問題を解決するだけでなく、「人と自然」「文化と経済」の再接続をもたらします。
・若者や移住者が関わるきっかけに
・地元の誇りや伝統文化の再認識
・阿波晩茶のブランド力と販路の広がり
茶畑は今や、静かに息を吹き返しながら、地域再生の希望の象徴になりつつあるのです。
阿波晩茶の茶畑に残るのは、ただの農地ではありません。そこには何世代にもわたり受け継がれてきた暮らしの知恵、自然への敬意、そして人の手で育まれてきた地域文化が息づいています。
その茶畑を未来につなぐための「再利用」は、農業の新しい可能性を示すと同時に、地域に根ざした暮らしの再生を静かに後押ししています。
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