皆さんこんにちは!
Kamikatsu-TeaMateの更新担当の中西です!
さて今日は
未来に繋ぐ阿波晩茶〜課題2〜
ということで、現在、上勝町で抱えている課題について深く考えていきたいと思います。
徳島県上勝町。日本一の葉っぱビジネス「いろどり」で知られるこの町には、もう一つの宝物があります――実生(みしょう)の在来茶です。
人工的に品種改良された茶ではなく、種から育ち、地域の自然と共に生きたこの茶は、一つとして同じものがない、唯一無二の風味を持ちます。
しかし今、そのお茶畑(といっても山の斜面)が危機的な状況にあるのです。
1. 傾斜地に広がる「自然生え」の茶ノ木たち
上勝町の在来茶は、標高の高い山間地の斜面に多く自生しています。これらは「在来種」と呼ばれる、江戸時代以前からその地に根付いた品種であり、人の手で挿し木されたものではなく、種から育った実生の茶木です。
■ 魅力と苦労は紙一重
→ 収穫はすべて手摘み。一歩間違えば滑落するような傾斜での作業は、高齢の農家にとって非常に厳しいのが現実です。
2. 耕作放棄と荒れる山―失われゆく茶園の記憶
近年の後継者不足により、お茶畑の管理が難しくなり、放置される茶園が増加しています。
耕作放棄された斜面は、次第に雑木が生い茂り、イノシシなどの動物のすみかとなり、生態系の変化や土砂災害のリスクも高まります。
■ 問題の連鎖
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傾斜地ゆえ機械化できない → 作業負担が高い
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高齢化・後継ぎ不在 → 作業が続けられない
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放棄 → 山が荒れ、害獣・災害・文化の喪失へ
→ これは単なる農業の衰退ではなく、「地域の風土と文化の消滅」を意味します。
3. それでも「続けたい」と思わせる在来茶の価値
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世界に一つだけの風味 → テロワール(地勢・気候・文化)を映す味
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発酵・焙煎による多様な製品化 → 紅茶、和紅茶、ほうじ茶などへ展開可能
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サステナブルな農業資源 → 無農薬・自然栽培がしやすい環境
→ 上勝の在来茶は、“量”ではなく“価値”で勝負できる、高付加価値型の地域資源です。
4. 解決への鍵:共に担う「文化の農業」
→ “美味しい”だけではなく、“意味のある作物”として発信することで、地域の未来を変える可能性があります。
一葉に、山の物語がある
上勝町の実生在来茶は、ただの茶葉ではありません。そこには、人と自然と歴史が育んだ土地の記憶があります。
この茶を守ることは、上勝町の山を守ること。そして日本の農村文化を、未来に手渡すことでもあります。
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